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更新日:2022年11月4日

2~5ページ(全国から愛される演劇文化をさらに)

全国から愛される演劇文化をさらに

三度、感動を呼んだ「いのちぼうにふろう物語」

9月4日から10月10日にかけて能登演劇堂で上演された「いのちぼうにふろう物語」。全30回公演で、市内外から1万3,265人が訪れ、大盛況のうちに幕を閉じた。

能登演劇堂で3度目の上演となった「いのちぼうにふろう物語」。今年12月で90歳を迎える仲代達矢さんが役者70周年を飾る舞台として挑み、気迫に満ちたセリフや、年齢を感じさせない立ち振る舞いで役者魂を見せつけた。
仲代さんが演じるのは、ならず者たちを見守る一膳飯屋の店主、幾造。その姿は、無名塾の主宰として後輩役者を育ててきた仲代さん自身を重ねているようにも見えた。
物語の終盤、幾造が外舞台から登場した捕り方役のエキストラに囲まれ、「まるで祭りだぜ」とセリフを吐き、散っていく姿は圧巻で、劇場内は拍手が鳴りやまず、観客は「感動で涙が止まらなかった」「すばらしい舞台」と絶賛した。
最終日の終演後、仲代さんは共に舞台に立ったエキストラに「本当にすばらしい動きで、物語の最後を締めくくっていただいた」と拍手を送り、公演を支えてくれた共演者やスタッフ、ボランティアに向けて「老骨にむちを打って舞台に立てたのは、皆さんのおかげ」と感謝し、感慨深い表情で舞台を後にした。

すばらしい舞台をありがとう!

年を感じさせぬ仲代さんの熱演、感動しました。若手もすばらしく、重厚な芝居で東京から来たかいがありました。

力強く、美しい舞台。大満足です。

前回も拝見しました。さらに大きな感動をありがとうございます!

皆で盛り上げた舞台裏

ロングラン公演を成功させる上で、市民ボランティアの協力は不可欠。今公演も会場スタッフや、エキストラに多くの市民が携わり、公演を支えた。中でもエキストラは、終盤の見せ場で登場する捕り方役で出演。かつらや衣装の装着、より良く見せる動きの確認などエキストラ同士、協力して乗り越えた。

(写真説明)祭りの一行(中島地区)が成功祈願
(写真説明)地元の味で歓迎
(写真説明)公演後に役者とエキストラがハイタッチ
(写真説明)エキストラに参加した皆さん
(写真説明)市長もエキストラに出演

心ひとつに、舞台に立ちました

輪島市からエキストラに参加斯波安夫さん
仲代さんの芝居が好きで、新聞のエキストラ募集の記事を見て応募しました。緊張しましたが、仲代さんと同じ舞台に立てて光栄です。観客として舞台を見たときは、セリフ一つ一つに込められた意味を感じ、あらためてすばらしい舞台だと感動しました。最後まで、みんなで協力してやりとげることができて胸が熱くなりました。

感謝を込めて、無名塾公演をPR

中島勝手に応援団団長石坂智子さん
無名塾の皆さんは長年、地域のにぎわい創出に尽くしてくれています。そんな無名塾の皆さんに感謝を込めて公演を盛り上げようと、住民有志6人で「中島勝手に応援団」を結成しました。横断幕や顔出しパネル、観光列車「里山里海号」のヘッドマークを作り能登中島駅に設置しました。
公演後も、訪れた人に楽しんでもらいたいです。

仲代さんがまいた演劇の種が花咲く

演劇のまち誕生
日本演劇界の重鎮、仲代達矢さんと七尾市の出会いは昭和58年。仲代さんが家族旅行で旧中島町を訪れ、自然豊かな町と人々の人情に触れ、「ここで芝居ができたら」とつぶやいた。この一言が、旧中島町に演劇の種をまくことになる。
無名塾の中島合宿が始まると、町民の演劇に対する関心が芽生え、「演劇のまち」を掲げたまちづくりが進んだ。仲代さん監修の演劇専用ホール「能登演劇堂」がオープンしたのは平成7年のことだった。

能登演劇堂の名が全国へ
「小さな町の大きな挑戦」などと報じられて注目されたのが、平成9年の初のロングラン公演「いのちぼうにふろう物語」。当時人口8千人の町に、1カ月で約2万人が訪れ、客席は連日満席。住民自らが誘客に動くなどした結果だった。
能登演劇堂の名を全国に轟かせたのは、能登半島地震からの復興を掲げ、平成21年に能登限定で公演した「マクベス」。全50回の公演で、約3万3千人が訪れた。本物の馬が外舞台を駆け回り、毎回50人ものエキストラが兵士役で登場するシーンは能登演劇堂でしか実現しない圧巻の一幕だった。

演劇によるまちづくり
演劇によるまちづくりの構想には、能登演劇堂を活動拠点とした新しい町民文化活動の創出も盛り込まれた。町民劇団が誕生し、「地元の学校で演劇教育を」という機運が高まり、平成12年4月旧中島高校に普通科演劇コースが開設。その後、七尾東雲高校演劇科に引き継がれ、卒業生の中には無名塾に入塾する者もいた。
令和元年からは、日本大学芸術学部の学生たちが、無名塾のように中島町に滞在しながら、住民との交流をもとに作品を創作する「ノトゲキ」プロジェクトも続いている。仲代さんがまいた演劇の種が花を咲かせた証と言えるだろう。

学生たちの滞在制作「ノトゲキ」

ノトゲキは、日本大学芸術学部演劇学科(通称・日芸)の学生が中島町に滞在し、職業体験や祭りの参加など、住民と交流しながら舞台作品を創り上げるプロジェクト。
令和元年の夏から始まり、今年で4年目。コロナ禍で2年間はオンラインとなったが、今年も6人の学生が滞在し、作品を上演した。

message
中島町出身の舞台俳優ノトゲキ発起人滝腰教寛さん
舞台芸術と出会わせてくれた中島町に恩返しがしたいという思いから始まった「ノトゲキ」。能登の魅力的な人たちと学生が出会うことで、能登でしか生まれない魅力的な作品や新しい演劇の形が生まれ、舞台芸術の未来と故郷七尾の未来が共に育つと、初回を終えたときに確信しました。
学生たちは、「能登が好きだ」「また来たい」と口を揃えます。今後も舞台芸術を志す学生と、七尾の人たちとの良き出会いの場になるよう応援したいです。そして、「演劇祭」のようなものを仕掛け、全国・海外から学生を呼び込んで、演劇で七尾を盛り上げたいと思っています。

お問い合わせ

所属課室:企画振興部広報広聴課

〒926-8611石川県七尾市袖ケ江町イ部25番地

電話番号:0767-53-8423

ファクス番号:0767-52-0374

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