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雨に濡れる深紅の枠旗を担ぐ
9月20日、台風の影響が心配される中、久麻加夫都阿良加志比古神社で国指定重要無形民俗文化財の『お熊甲祭』が行われた。天狗面の猿田彦の先導で各集落に鎮座する19の末社から繰り出された神輿、そして20メートルを超える深紅の大枠旗の一行。冷たく打ち付ける雨をものともせず、団長のもと一致団結した男衆らの熱気は、本社を目指し徐々に高まっていった。一行が本社に到着すると、足元の悪さを心配する見物客をよそに「オイッサー」の威勢の良い掛け声が境内に鳴り響く。雨を吹き飛ばすほどの気迫をまとった男衆らは、拝殿前へ何度も走り込みを繰り返した。末社全てが参入すると、にぎやかに鳴り響くかねや太鼓に合わせて、猿田彦が軽やかな舞を披露。次世代の担い手となる小さな猿田彦が舞う姿は頼もしく感じられ、見物客からは温かなまなざしが送られた。天候を考慮して、お旅所の加茂原でのお練りは中止に、無念が残る祭りになったが、使命感を胸に今できることを精一杯やり遂げた男衆らは、来年の祭りに向け、気持ちを新たにしていた。