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更新日:2019年3月5日

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広報ななお
七尾ごころ
平成31年(2019年)3月号No.174

このまちでずっと

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認知症になっても安心して暮らし続けられるまち

日本では65歳以上の4人に1人が認知症またはその予備軍といわれ、今や認知症は誰でもなり得る身近な病気です。自分や家族が認知症になったときに以前と変わらず自分らしく暮らすために、認知症を「自分の事 みんなの事」と捉え、地域全体で向き合うことが求められています。

家族の思い

夫の姉の介護をしている、市内在住の川端八千代さんに話を伺いました。

義姉の様子がおかしいと感じたのは5年前。車のワイパーの操作方法や家の鍵の置き場所が分からなくなるといったことが頻繁に起こるようになりました。知人から身内が認知症になったという話を聞いていたので、もしかしてと思い、病院の相談員に相談することに。まだ認知症ではないが、デイサービスや地域包括支援センターにも相談することを勧められました。
3年後、家には誰もいないのにお客さんが大勢来ているからとお茶やお菓子を準備したり、服の着方が分からなくなったりと症状がひどくなり、認知症と診断されました。

怒らずにうまく付き合う

本人が機嫌を損ねると、夜中でも家を出ていってしまい、そのたびに家族で探さなければなりません。見つけても車に乗る事を嫌がって言い合いになり、たたかれることも。怒ると逆効果なので、違う話をして気をそらしたりなだめたりして連れて帰ります。これまで介護の仕方を学んだことがなく、その中で寄り添っていくのは大変でした。

地域の人に助けられている

症状が進むほど、私は周囲に本人の状態を伝えておいてよかったと感じます。地域の人や地域包括支援センターなど、相談できるところがあることが心強かったです。認知症という病気と付き合っていく上で、家族だけで抱え込まず、地域全体で見守る環境をつくっていくことが大切なのではないでしょうか。

認知症は脳の病気

認知症とは、さまざまな原因で脳の細胞が死んだり働きが悪くなったりすることで、記憶や判断、認知する力が低下し、生活に支障が出ている状態のことです。原因によっては、うつ、妄想、幻視、性格の変化などさまざまな症状が現れます。
認知症の原因で最も多いアルツハイマー病では、比較的早い段階から記憶障害が起こり、物忘れから気付くことが多いといわれています。

大切なのは早めの気付きと対応

認知症を引き起こす病気の種類によっては治療可能なものもあり、早期発見・適切な治療が重要です。また、周囲の環境や接し方で、症状が改善する場合もあります。「おかしいな」と感じたら様子見は禁物。かかりつけ医に早めに受診し相談しましょう。生活の中での困り事は七尾市地域包括支援センターで相談できます。

問い合わせ先
七尾市地域包括支援センター(パトリア3階七尾市社会福祉協議会内)
電話番号:53-5789

見過ごさないで!
認知症のサイン

初めのうちは老化による物忘れと区別がつきにくいものですが、次第に違いがはっきりしてきます。
1つでもチェックが付いたら認知症の疑いがあります。

  • 体験した事そのものを覚えられない、すぐ忘れてしまう
  • 日付や時間、場所、人が分からなくなる
  • 2つ以上の事が重なると理解できなくなる
  • 自分がどこにいるか分からなくなり、家に帰れなくなる
    いつも使っている道具が使えなくなる
  • 季節に合った服装ができなくなる
  • 置き忘れを「盗まれた」と勘違いする
  • 無気力でうつ状態になる
  • 物忘れの自覚がない

私たちがサポートします!
認知症初期集中支援チーム

チームは昨年4月に七尾市地域包括支援センターに設置され、医師、保健師、社会福祉士などの複数の専門職で構成されています。
チーム員が家庭を訪問して生活の様子を伺った後、チーム員会議で必要な支援を検討し、適切な医療や介護などのサービスを調整するなどの支援や相談を行っています。

こんなことで困っていませんか

  • 病院に行きたがらず、認知症の診断を受けていない
  • 認知症の症状が強く、家族が対応に困っている
  • 認知症の薬を嫌がり、治療が中断している
  • 介護のサービスを利用できず、家族が困っている

など

認知症サポート医:かかりつけ医から認知症診断などの相談を受ける医師。

地域で支える

地域全体で認知症を理解して本人とその家族を支えるための取り組みを紹介します。

問い合わせ先
高齢者支援課
電話番号53-8463

認知症を正しく理解し、支援の輪を広げよう
認知症サポーター養成講座

オレンジリングは養成講座を修了した証です

2月15日に田鶴浜高等学校衛生看護科の1、2年生を対象に講座が開催され、新たに75人が認知症サポーターに仲間入りしました。認知症サポーターは、何か特別なことをする人ではありません。認知症を正しく理解し、認知症の人やその家族を温かい目で見守り、できる範囲で手助けする「応援者」です。
市内には約4千人のサポーターがいます。サポーターが増えることは、認知症になっても安心して暮らせるまちづくりへの大きな一歩になっています。
講座では、認知症の症状や治療、認知症患者との接し方などを学ぶことができます。いつ自分や家族が認知症になるか分かりません。他人事ではなく「自分の事 みんなの事」として考える機会にもなっています。

講座は町会や学校、企業など各種グループ単位で申し込めます。

講座を受けて

藤井 智美さん

認知症の人の対応を想定した劇が印象的で分かりやすかったです。物忘れや何度同じ事を言っても否定せず受け止めて接したいです。

島崎 桃菜さん

これまで学んできた知識を、講座でより深められました。認知症の人には広い心で見守って傾聴することが大切だと思いました。

水野 はるさん

記憶がなくなる、物事ができなくなることは認知症になった本人が一番辛いと思います。だから否定せず支えたいと思いました。

(写真説明)
さはらファミリークリニックのスタッフによる劇で認知症の人への対応を学びました。

認知症は病気だということを理解しましょう

認知症サポート医
さはらファミリークリニック
佐原 博之 院長

認知症患者の家族から「何回怒っても言うことを聞いてくれない」という話をよく聞きます。認知症の人もその瞬間はちゃんと理解できていて、本人の認識では初めてのことなのに意味もなく怒られたと感じ、さらに介護者との関係が悪化してしまいます。認知症の人が同じ事を繰り返しても、怒るのではなく、まずは受け止めて優しく答えてあげてください。何度でも同じように答えて大丈夫です。そうすれば介護者の負担も軽くなります。
認知症は病気です。病気で目や足が不自由な人をサポートするのと同じように、認知症の人も助けてあげましょう。

身近な場所で認知症予防
ほっとできる
通いの場

市内に約120カ所あります。

町の集会所など近所の会場に集まり定期的に活動する「通いの場」。体操や脳トレ、趣味活動や軽スポーツ、お茶を飲みながらの談話などを楽しむことで認知症予防につなげています。

参加者の声

  • 雰囲気がいい
  • 近所でもなかなか会えない人と会えるきっかけになった
  • 通いの場があるから外に出ようと思える
  • バスで送迎してくれるところもあって助かる
  • 楽しいからまた来たい

(写真説明)
カフェたかしなでは幅広い年代の人が寄り合い、交流を深めています。

(写真説明)
田鶴浜地区で開かれているさつきカフェ。健康な体づくりのための体操をしました。

地域で働く人も見守り隊に
認知症高齢者などSOSネットワーク

認知症などで行方不明になる可能性がある人の氏名や特徴、顔写真などの情報を市に事前に登録し、地域の協力を得て早期に発見するための制度です。
行方不明者が発生した場合、市から介護サービス事業者、金融機関、交通機関、郵便局など市内の協力機関に情報提供します。協力機関は業務に支障のない範囲で行方不明者を気に掛け、たくさんの「目」によって本人の早期発見につなげます。

認知症になったときの道しるべ
認知症知ってあんしん本

身近な病気である認知症の先の見通しや症状に応じた支援を知っておくことは、地域で安心して暮らしたいと願う本人や家族にとってとても重要です。認知症を発症し、症状が進行していく流れの中で「いつ・どこで・どのような」医療や介護、支援を受けられるかを示した手引き「認知症知ってあんしん本」をご活用ください。

七尾市地域包括支援センター、高齢者支援課(パトリア3階)でお渡ししています。

お問い合わせ

所属課室:企画振興部広報広聴課

〒926-8611石川県七尾市袖ケ江町イ部25番地

電話番号:0767-53-8423

ファクス番号:0767-52-0374

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