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更新日:2020年3月5日

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認知症になっても
自分らしく暮らせるまち

認知症は脳の病気によって発症し、誰にでも起こり得る身近な病気です。認知症を発症しても自分らしく暮らすためには、家庭や地域、職場など、周囲の理解とサポートが必要です。

高齢になるほど発症する人の割合が高くなる認知症。65歳未満で発症する若年性認知症もあり、年齢にかかわらず誰でも発症する可能性があります。他の病気との違いは、記憶や判断力などの低下によって、本人とその家族が生活しづらくなる場合が多いことです。
平成30年度、新規に市の要介護認定を受けた776人のうち、認知症が原因疾患である人が最も多く、161人(20.8%)という結果でした。これは、認知症の症状による生活のしづらさなどから、介護保険サービスの利用を希望する人が多いためです。認知症と診断された後も本人が望む暮らしを続けるには、介護保険サービス以外のサポートも重要です。


要介護認定者の原因疾患
(平成30年度新規申請776人の内訳)
認知症20.8%

脳血管疾患11.3%

転倒・骨折10.4%

がん9.0%

関節7.4%

高血圧6.3%

腰痛症6.3%

心疾患4.1%

その他24.4%

若年性認知症と診断―
それでも自分らしく生きる

令和元年12月1日に矢田郷地区コミュニティセンターで「認知症とともに笑顔で生きる」と題し、若年性認知症の当事者、丹野智文さんによる講演会が開催されました。
丹野さんが若年性アルツハイマー型認知症と診断されたのは39歳の頃。職場で病気のことを公表し、サポートを得ながら、2冊のノートを活用した「丹野式仕事術」を考案するなどして、現在も勤務を続けています。
病院で診断された時は「人生は終わりだ」と思い、1年半は不安と恐怖で涙が出てきたそうです。当事者やその家族同士の交流の場「家族会」の存在を知った丹野さん。「妻が私の事を相談できる場所になれば」と自分だけでなく家族のために参加したと話していました。そこで出会ったのは、年が違っても同じ薬を飲んでいて、同じ立場で話ができる人たち。診断後10年経っても元気な若年性認知症当事者を見て、前向きになることができたそうです。
「認知症の初期は健常者とほとんど変わらない。すぐに介護が必要になるわけではない」と実体験から感じたことを話した丹野さん。「1回失敗しただけで、周りは心配して何もさせてくれなくなることが多い。でも失敗を恐れて守られるのではなく、力を借りて目標を達成したい。できることを奪わないで待ってほしい。自信が大切。自信がないと本当にできなくなってしまう」と熱を込めました。

(写真説明)若年性認知症当事者丹野智文さん

認知症を受け入れる地域に

「認知症当事者を尊重することの大切さが分かった」「認知症の人を自然に受け入れられる地域にしていきたい」など、丹野さんの話に感銘を受けた参加者たち。認知症になった人が「助けて」と言いやすい環境を作れるように、町会など身近なところから行動しようと心を新たにしていました。
一人一人の認知症への理解が、認知症になっても住みやすいまちへの第一歩になるのではないでしょうか。

自分らしくいられる場所

認知症の悩みや思いを語り合い交流できる「なないろカフェ」。誰もがそれぞれの色に輝けるように「なないろ」という名前が付けられました。認知症になっても、やりたいことの実現を目指して、認知症当事者やその家族、応援者が共に活動しています。みんなでレクリエーションをしたり公園を散歩したり、楽しい時間を過ごしています。
当事者や家族が温かく過ごせる居場所になればと、月に1回活動しています。気軽に参加してみてください。

問い合わせ
七尾市地域包括支援センター
電話番号53-5789

応援者の声
私自身が「認知症かも?」と思い受診したことがあり、そこから若年性認知症に関心を持ったことがきっかけで参加しています。やりたいことを叶えられた当事者の人は、とても生き生きしています。悩んでいても誰かと話すだけで気持ちが軽くなりますし、当事者も家族の人もどんどん参加してほしいです。もし私が認知症になっても、なないろカフェのような居場所があると救われると思います。
Mさん(女性)

次回
日時:3月14日(土曜日)午前10時から
場所:寄り合い処みそぎ
参加費:200円

なないろカフェのほかに、全国47都道府県に支部がある「家族の会」もあります。石川県支部での主な活動を紹介します

1つどい
認知症当事者や家族が悩みや思いを共有し、支え合っています。月に1回、金沢市松ヶ枝福祉館で行われます。
2電話相談
認知症当事者や家族からの相談を受け付けています。小さなことでも気軽に相談できます。(毎週木曜日午後1時から午後5時)
3情報発信
医療や介護情報、介護体験、当事者の声などを掲載した会報を発送しています。

このほか、金沢市横安江町商店街・いきいきギャラリーで認知症カフェを開催しています。
問い合わせ
(公社)認知症の人と家族の会石川県支部代表飯田
電話番号070-5146-1025

身近な相談窓口「ななお認知症ほっとけんステーション」

同じことを何回も話したり物を置き忘れたりすることなどが増え「もしかして認知症?」と思っても、すぐに地域包括支援センターや病院に相談することをためらう人もいるのではないでしょうか。そんなとき、認知症のことを気軽に相談できるのが「ななお認知症ほっとけんステーション」です。日頃から利用する機会が多い薬局に設置され、「ほっとけん」は「放っておけない」の意味が込められています。ステッカーがある薬局で相談できます。

(写真説明)このステッカーが目印!ななお認知症ほっとけんなな

「ちょっと物忘れが気になるけど、どこに相談したらいいか分からない」と思ったときなど、まずは薬局で相談してみてください。病院や包括支援センターなど、適切な場所へご案内します。認知症は、本人も家族もストレスを抱えてしまうことが多い病気です。ストレスをためない考え方を聞きに行く場所としても、薬局を思い出してもらえたらと思います。買い物や外出したついででもいいので、いつも行っている薬局やほかの行きやすいところで気軽に相談していただきたいです。

(写真説明)コトブキ薬局七尾店
管理薬剤師
山﨑雅恵さん

お問い合わせ

所属課室:企画振興部広報広聴課

〒926-8611石川県七尾市袖ケ江町イ部25番地

電話番号:0767-53-8423

ファクス番号:0767-52-0374

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