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更新日:2017年4月28日

2~11ページ

母校の思い出は永遠にそして新たなステージへ

御祓中学校
朝日中学校
田鶴浜中学校

開校に向けてつないだ輪が今春一つに

平成29年3月31日、御祓中学校、朝日中学校、田鶴浜中学校が、長い歴史に幕を下ろした。
昭和37年には約6600人のピークを迎えた市内中学校生徒数も、平成29年には約1300人に。少子化が進む中、子どもたちにとって有意義な教育環境を整えるため、地域住民や保護者らが協議を重ね、統合の道を選択した。
閉校を前に、歴史と伝統を受け継ぐ最終ランナーとなった生徒や職員らは、有終の美を飾ろうと、それぞれの学校の良さを見直し、温かく見守り続けてきた地域の人たちへの感謝の思いを分かち合ってきた。
4月、新たな学校生活への期待を胸に、七尾中学校の門をくぐった生徒たち。それぞれの学校が築き上げてきた伝統は途絶えることなく引き継がれ、新たな歴史を一日一日刻んでいる。

御祓中学校

70年受け継がれた御祓魂「自主独立の学園」を築く

昭和22年4月に開校した御祓中学校。旧校舎で35年、新校舎で35年の歴史を刻み、1万1879人の卒業生が学び舎を巣立った。「自主独立の精神」のもと、主体的に学校生活を送った卒業生は、現在国内外を問わず、各界で活躍している人も多い。
閉校式には、144人の在校生と今年卒業を迎えた73人の卒業生、そして歴代の卒業生や保護者、住民など約500人が母校に別れを告げようと集まった。参加者は校舎内を巡って当時を懐かしみ、思い出話に花を咲かせていた。
式典では、不嶋市長、高教育長に続き、清水穣校長があいさつ。「御祓中学校の歴史と伝統のたすきを受け取った最後の走者として、その重責に身が引き締まる思い。在校生はこれだけ多くの方々に応援されている存在であることを誇りに、御祓魂をこれからも仲間と共に分かち合っていってください」と熱いエールを送った。
除幕式で披露された記念碑には、校歌の傍らに陶板製のQRコードが貼られている。スマートフォンをかざすと、生徒が歌う校歌が懐かしい校舎や教室風景などの映像付きで流れ、世代を越えて引き継がれることで仲間同士をつないで欲しいという、卒業生らの思いを形にした。
続いて記念交流会が行われ、卒業生で世界的なパティシエの辻口博啓さんが登壇。目標に向かって努力することや、感性を育てることの大切さを参加者に伝えた。さらにオペラ歌手の鳥木弥生さんやゴスペルグループによる歌唱が花を添え、プログラムの最後は参加者全員による校歌斉唱。春の息吹を感じさせる青空に最後の校歌は高らかに響き渡り、70年の歴史に幕を閉じた。

(写真説明)式後には、生徒らが校庭で500個の風船を青空に放ち、拍手と笑顔で締めくくった。

閉校に寄せて

01インタビュー
同窓会会長
石橋宏文さん(馬出町)
時代を越え、世代を越えて70年の歴史を刻んできた御祓中学校が閉校となりました。人生の最も多感な時期を過ごした場所が無くなるのは寂しいことですが、新しい世代が新しい場所で歴史を作っていってくれるものと信じています。

02インタビュー
閉校記念式典実行委員会委員長
高澤久さん(一本杉町)
実行委員会では同窓の方々と話す機会が多くあり、その中で実感したことは校歌がみんなをつないでいるということでした。閉校記念碑には校歌を刻み、この記念碑を見る方には御祓中での楽しい日々を思い出し、温かな気持ちになってくだされば幸いです。

03インタビュー
生徒代表2年生
羽石作大朗さん(藤橋町)
今から70年前、御祓中学校は幕を開けました。今日までに数々の伝統、栄冠を残してきました。その中でも70年変わらない伝統は「自主独立の学園」です。心の故郷「御祓」を胸に、統合後も新たな伝統を築き上げます。

御祓中学校校歌

作詞:相川 龍春
作曲:浅井 挙曄

希望の夢こそ 我等のシンボル
尾湾の空よ 浮かぶ白雲
仰ぐ日輪 血潮は踊る
高き理想を 目指す時
自主独立の 学園に
見よや希望の 夢を飛ばさん
御祓 御祓 心の故郷
我等の 我等の 御祓中学

御祓中学校の歩み

昭和22年4月1日
御祓小学校と県立七尾中学校の一部を借用して開校
昭和56年2月28日
新校舎落成式
平成8年7月4日
武道館(煌明館)落成式、創立50周年記念式典
平成29年3月31日
閉校

朝日中学校

「決意を実践に移せ、そして栄光を信ぜよ」誇りを胸に6,373人が巣立つ

昭和36年4月、徳田中学校と高階中学校が統合して創設された朝日中学校。校舎の建つ一帯は旭台と呼ばれていたことから同音の朝日と名付けられ、朝日の当たる学び舎、朝日のように力強くという願いが込められた。
閉校式では、井田正輝校長が時に言葉を詰まらせ、瞳を潤ませながら「朝日中の生徒の良いところは、感謝する心、信頼できる仲間、揺るぎない決意、やり抜く実践です。これを持って七尾中の新たな歴史を作ってください。朝日中学校はすばらしい学校であったと歴代の校長を代表して自慢させてください」と胸を張ってあいさつし、参列者は誇らしく感じていた。
朝日を象徴してデザインされた校章があしらわれた校旗が、生徒によって旗棒から外され、参列者に向けて掲げられると、全員まっすぐに見つめ返し、会場は閉校を惜しむ寂しさで包まれた。
引き続き行われた記念碑除幕式。朝日中学校がこの地にあった証となる石碑は、これまで正門横に設置していた朝日中学校と彫られたもので、書は9代校長の守友宗次さんによる。愛着のある石碑に新たに跡地という文字を刻み、校舎玄関前に移設された。この校舎は1年間の時を経て、徳田小学校と高階小学校が統合する朝日小学校に生まれ変わり、石碑は通学する児童を優しく見守ることになる。
記念碑のそばには、1年生から3年生全員の作文や写真など、学校生活の思い出を詰め込んだタイムカプセルが埋められ、生徒は10年後の再会を誓った。また、飯川天狗太鼓や高階子ども太鼓が、朝日小学校へ引き継ぐという気持ちを表した力強い和太鼓を披露。最後は男女混成3部合唱で作曲された校歌を全員で歌い上げ、56年の歴史を刻む校舎に笑顔で別れを告げた。

 

(写真説明)長年にわたり運動場や周辺の美化活動をした土田清祐さん、同窓会役員を務めた守司さん、生徒全員に新聞を提供した出見世洋さんに感謝状が贈られた。

閉校に寄せて

01インタビュー
同窓会会長
堀 和彦さん(国下町)
同窓会会長として閉校に関わった事に責任と寂しさを感じています。
在学中は陸上競技に熱中し、運動場を走り回った事を思い出します。
七尾中学校の生徒たちの活躍に期待し、応援し続けたいと思っています。

02インタビュー
PTA会長
橋爪 義孝さん(国分町)
長い間地域の方々に支えられた朝日中学校が閉校しました。
多数の卒業生を輩出した中学校が閉校するのは寂しい限りですが、PTA活動に携わり、閉校の瞬間に立ち会えたことを誇りに思います。ありがとうございました。

03インタビュー
生徒代表2年生
早見 祥汰さん(下町)
最後の文化祭が印象に残っています。学校全体が一つになっていく様子に感動しました。
朝日中学校が閉校になったのは非常に残念ですが、これまで培ってきたことを胸に、七尾中学校で新たな伝統を築き上げたいです。

朝日中学校校歌

作詞:高橋 育三
作曲:市川都志春

萌え出づる榛の林
地にきおう麦の青
枡形山に雲は湧き
我が鳥は空をかける
もろ手あげて山に向かえば
あふれくるよ大き希望
ああこの希望高くかかげて
我ら行く丘の学び舎朝日中学

朝日中学校の歩み

昭和36年4月1日
徳田中学校と高階中学校が統合して開校
昭和38年5月18日
徳田教場、高階教場を廃止、新校舎で統合授業開始
平成22年3月27日
新校舎完成・創立60周年記念式典挙行
平成29年3月31日
閉校

田鶴浜中学校

昭和33年12月に相馬中学校と統合し、日和ヶ丘の高台に建つ見晴らしの良い校舎で心豊かな生徒を育んだ田鶴浜中学校。近年は思いやりの心を育む人権教育に熱心に取り組み、その一つに友だちへの感謝の気持ちや良いところを紙の葉に書いて伝え合う「心をつなぐ木」がある。平成22年度卒業生の升田晴華さんが発案したこの木は、閉校式当日も生徒玄関に「ありがとうの桜」として用意され、在校生や卒業生らが母校への思いを桜の花にしたためていた。
閉校式には、在校生や卒業生、住民など約500人が詰め掛けた。辻口裕規校長は「学校と地域が一つになり築き上げてきた伝統は大きな財産となり、田鶴浜魂として生徒の心の中に引き継がれています。学んだことを誇りとし、歴史と伝統を生かして、一人一人が羽ばたいてください」とあいさつ。最後の生徒会長を務めた水野怜美さんは「浜中の良いところは、先輩と後輩が仲良く、全校で一つになって学習や部活動に取り組めるところ。これは先輩方から受け継いできた伝統です。最高の思い出が詰まっている校舎。ありがとう、さようなら」と愛着のある校舎との別れを惜しんだ。
記念碑の除幕式後に続いて開催された記念イベントでは、伝統の田鶴浜建具の技で作られたスクリーンに58年間の歩みが映し出され、参加者は懐かしい思い出に浸った。全員による最後の校歌斉唱の後、生徒から来場者に「旅立ちの日に」の歌のプレゼントが。会場は一気に感動の渦に包まれ、胸を熱くした参加者の中には涙する姿も見られた。
感謝の気持ちが満開となって咲き誇った「ありがとうの桜」。新たなスタートを切る在校生にエールを送るかのように、市内で最も歴史ある校舎の最後を明るく彩っていた。

 

(写真説明)記念碑の表面には昭和60年卒業生の書道家・谷口健太郎さんの字で校歌が彫られ、裏面には学校の歩みが刻まれている。

閉校に寄せて

01インタビュー
閉校記念式典実行委員会委員長
中村康夫さん(田鶴浜町)
第1回卒業生の私たちは3年生の冬休みに引っ越ししました。雪が降る寒い中、机やいすなどを新しい教室に運んだことを覚えております。3学期のみの学校でしたが、閉校式の日に同級生と一緒に懐かしく見て回りました。58年間ありがとうございました。

02インタビュー
PTA会長
水野美樹さん(三引町)
記念イベントで白い格子のスクリーンに映し出された母校の姿に、多くの人が涙しました。でも会場はやがて笑顔に包まれたのです。あれはきっと、みんなの心に前へと進む力が生まれた瞬間なのだと思います。新たな舞台に期待が膨らみます。

03インタビュー
生徒代表2年生
小浦柊太さん(田鶴浜町)
僕の家族は全員が浜中卒業生なので、家族全員で閉校を惜しみました。僕は浜中最後の生徒会書記を務め、先輩から伝統を引き継ぎました。その浜中の良き伝統を七尾中に持っていき、途絶えないようにしたいです。

田鶴浜中学校校歌

作詞:金崎権里
作曲:供田武嘉津

見はるかす 能登の島山
入海の 空澄みわたる
もろともに 清く誓いて
健やかに ここに学ばん
幸を喜び 吾等伸びゆく

田鶴浜中学校の歩み

昭和33年12月1日
田鶴浜中学校と相馬中学校の統合校の新校舎が落成し、開校
昭和49年5月24日
田鶴浜町小中学校給食センター落成
平成24年10月30日
文部科学省指定校、人権教育研究発表大会
平成29年3月31日
閉校

~4月1日、三校の歩みが一つになり、輝く未来に向けて発進~
夢をのせて七尾中学校開校

未来に羽ばたく七尾中学校を目指して
初代校長 辻口裕規

七尾中学校開校にあたり、統合協議会の皆さま、地域の皆さま、建設に携わった皆さまをはじめ、多くの方のご尽力をいただきましたことに、厚く御礼申し上げます。
御祓中学校、朝日中学校、田鶴浜中学校、いずれの学校もこれまで輝かしい歴史を刻み、多くの優秀な人材を送り出してきました。三校の伝統を受け継ぎ、このすばらしい校舎にこれから息を吹き込み、新たな歴史を作り上げるのは、生徒と職員の責務です。七尾中学校でふるさと七尾の次代を担い、世界に羽ばたく人材育成に、職員一同生徒と共に取り組んでいきます。
学校は、生徒が楽しく、たくましく、深く学び、一人一人が成長する場です。生徒は、新しい環境でこれから始まる七尾中学校での生活に、期待とともに不安もあると思います。まずは、充実したこの校舎を有効に活用しましょう。そして、新しい仲間とチーム七尾中学校として協力し、新たな歴史と伝統を作り上げていきましょう。

作詞の願い
校歌制作者 橋元道彦

人は皆、歴史の中に生きています。生徒の皆さんには、先人の苦労や努力を歴史から学んだ上で、希望を持って新しい自分の歴史を築いてもらいたいという願いを込めて校歌を作りました。
1番は「郷土史」。郷土の祖先がどれほど苦労して強く生きてきたのかをしのび、その英知と生き方を訪ね、教えを問いながら歌ってほしいです。
2番は学校環境と自分、校舎、これから充実し発展していく「学校史」、3番は学校と家庭、友だち、学業、部活動など、自分自身の周りの人と人との関わり「自分史」を思いながら歌ってほしいです。
校歌は旋律をきれいになぞるだけでなく、1番から3番までそれぞれ違う歴史を思い、詞の意味を解釈して歌ってほしいと思います。
歌は繰り返し歌えば歌うほど味が出て良くなります。校歌を長く歌う間に、生徒の皆さんに作詞の願いが届くことを期待しています。

七尾中学校校歌

 

作詞・作曲 橋元道彦

 

  1. 青き尾湾に煌めく七つの郷は
    歴史に深く育まれた町
    国分寺赤蔵小丸山訪えば
    伝わる精神富む知性
    永久に究めん我が学び舎は
    真の平和を築く道
  2. 澄んだ川面に映る銀色の窓に
    開ける山並み咲き誇る花
    希望の熱きに血潮はたぎる
    城址にこだます若き声
    永久に競わん我が学び舎は
    栄光へ翔る高い空
  3. 今日も昨日も明日も心のままに
    友達と語らい夢を追いかけて
    結びし知恵の実胸にあつれば
    想いは募りて悠久に
    ふるさと誇る我が学び舎は
    未来にはばたく七尾中学

(写真)教室札には田鶴浜建具が誇る伝統技法「組子」があしらわれている。
(写真)校舎棟中央の階段教室では、情報設備が整い、調べ学習が効率的に行える。

校旗の色

スクールカラー「藤色」の校旗/
「藤」の花言葉に「welcome(歓迎)、tender(優しさ)、steadfast(確固たる)」などの意味があり、校風にも通じることから藤色がスクールカラーに。

校章の由来

「藤」の花/「藤」の花を上向きにすることで「向上心」「前進する」姿を願った。
「N」/七尾(NANAO)の頭文字である「N」を稲妻型にすることで「躍動感」を表現した。

制服のデザイン

男子は従来の詰襟標準学生服、女子は3本の白線が入った従来のセーラー服に、藤色の脱着式リボンネクタイを着用。

お問い合わせ

所属課室:企画振興部広報広聴課

〒926-8611石川県七尾市袖ケ江町イ部25番地

電話番号:0767-53-8423

ファクス番号:0767-52-0374

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