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認知症とはいくつかの症状が集まって発症する病気です。早期発見で治るものや症状が和らぐものもあります。薬の投与だけでなく、家族や地域がどう患者と接して取り組んでいくのかなど、そのケア方法を医師にインタビューしました。また、認知症サポーター養成講座や地域で行われている集まりの場を紹介します。
認知症は、認知機能の障害によって社会生活などが困難になる病気を総称したものです。加齢によって誰でもかかる可能性があり、また生活習慣病が原因で発症する場合もあります。年齢が進むにつれて、その発症割合は上がっていきます。認知症で最も多いのは、アルツハイマー型認知症です。ほかにも脳血管性認知症やレビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など、さまざまな種類の症状があります。
日常生活で、物や人の名前が出てこなかったり、物の置き忘れや火を消し忘れたりすることなどの記憶障害が起こります。今までできていたことができなくなると、それは認知症の初期症状かもしれません。早期発見のポイントは普段の生活動作と違ったときです。なぜできないのかと問いたださず、家族や周囲の人が気付いてあげること、そして家族が普段どおりに接してあげることが大切です。もし、発見が遅れると脳にストレスが溜まり、進行が早まるケースもあります。
認知症の疑いがあると診断されても、薬による治療や良い生活習慣で進行を遅らせたり、改善させたりすることができる場合があります。生活習慣の適切なコントロールを行い、規則正しい生活やバランスの良い食事を取り、適度な運動をすることが望ましいでしょう。また、地域の集まりの場へ出向いたり、デイサービスを利用したりするなど、対人交流で会話を楽しみ、笑い、手先や口を使う運動を続けることができる環境作りが必要です。
認知症患者の徘徊や興奮によって起こる感情的な行動などは、ストレスや居心地の悪さからくるものかもしれません。介護者は1人で抱え込まず、家族やボランティアなど、周りの人と一緒に介護をしましょう。そうすることで、患者本人の満足度が増し、安心できる場所が生まれるでしょう。心地よい環境や適切な刺激、良い人間関係は、患者本人にとって治療的に働きます。家族や周囲の人が、認知症とはどのような病気かを知り、患者本人への対応や介護に対する理解を深め、早期発見、早期治療に取り組んでいきましょう。
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公立能登総合病院
精神センター
センター長
平松 茂 先生
いろいろな原因で脳の細胞が縮んだり、働きが悪くなったりするために「物事を記憶したり判断したりする能力」や「時間や場所、人などを認知する能力」などが低下し日常生活の中で支障をきたしている状態です。認知症の症状は必ずしももの忘れだけとは限りません!!
認知症の人が増加しています。
平成26年度新規介護認定者数
701人
認知症が多い!
157人
平成24年度から継続して多い
認知症
22.4パーセント
整形外科疾患
22.2パーセント
脳血管
13.0パーセント
心疾患
7.8パーセント
高血圧・糖尿病
6.7パーセント
その他
27.9パーセント
あてはまる項目をチェックしてください
もしかして…私認知症?
認知症の前触れとしていくつかのサインが必ずあります。ここにあげたサインのうち思い当たるものがあれば、かかりつけ医または七尾市地域包括支援センター(電話番号53-5789)に相談してください。
チェックリスト監修:能登地域認知症診療ネットワーク推進連絡協議会
生活習慣病(高血圧症、脂質異常症、糖尿病、心臓病など)を予防することは、認知症の予防にもつながります。
ウオーキングや体操などの運動を継続的に行いましょう。(一日5,000歩目標、運動20分程度)
歩きながら、しりとりをしたり計算をしたりすると脳が活性化され効果的です。
人と交流することを心掛け、介護予防教室などに参加しましょう。
バランスの良い食事を心掛け、特定健診や長寿健診を受けましょう。
趣味(音楽、絵画、読書など)に取り組んだり、さまざまな活動を通して、生活を楽しみましょう。
認知症を正しく理解し、認知症の人を温かく見守る応援者のことをいいます。何か、特別な活動をするわけではありません。講座で得た知識を家族に伝えたり、認知症の人やその家族の気持ちを理解して接したりと、自分のできる範囲で活動しています。サポーターは、目印に「オレンジリング」を身に付けています。
町会や職場、学校などを対象に、認知症に関心がある人であれば、どなたでも参加できます。専門の講師が出向き、認知症の症状や認知症の人と接する時の心構えなどを、寸劇や認知症予防の体操を交えて、分かりやすく講義しています。七尾市では、平成17年から養成講座を開催し、これまでに3,402人のサポーターが誕生しています。認知症になっても尊厳を持ち、安心して暮らすことができるまちを目指しています。認知症サポーター養成講座を受講してみませんか。
お問い合わせ
福祉課
電話番号
53-8463
「元気かいネ」グループ白馬
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グループリーダー
守本 淳子さん
毎週木曜日。徳田地区白馬町の白馬町集会所から元気な声が聞こえてくる。「『元気かいネ』グループ白馬」の皆さんだ。結成は11年前。白馬町のお年寄りを元気にしたいという思いから、坂井溥さん、志げ子さん夫妻が立ち上げた。現在では、白馬町で暮らすお年寄り約30人が集まり、音楽に合わせた運動や頭の体操をしたり、歌を歌ったりしながら楽しんでいる。ほとんどの参加者が80歳を超えているにもかかわらず、集会所は終始、元気な笑顔で包まれている。
活動の始まりは、午前9時30分。参加者の中には、30分以上前から集会所に集合し、全員がそろうのを楽しみに待っている人もいる。
隣近所で誘い合って集まり、認知症や体の衰えを遅らせるため活動する「『元気かいネ』グループ白馬」。代表の守本さんにお話を聞いた。
「皆さんは、参加することで元気が出ているようです。初めて参加するとき、少し抵抗があるのは十分理解できます。夫婦で参加しているメンバーもいます。一人だと、なかなか足が向かないこともあると思います。そういうときは、夫婦一緒だと参加しようという気持ちになるようです。また、参加者を増やそうと60歳代、70歳代の地域の人に声掛けをしています。しかし、孫守りやまだ若いから大丈夫だと断られることがあります。最初の一歩を踏み出せば、次からは気軽に参加できると思います」。
「それぞれの参加者が、テレビや新聞から得た新しい知識を教え合ったり、研修会などで学んだことを工夫して生かしたりしています。自分のためになることは、参加者全員のためになるという気持ちが大きいので、お互いに励みになっています。また、月に1回茶会を開き、集まりやすい雰囲気作りにも取り組んでいます」とグループの現状を話した。
「運動や頭の体操は、家で一人で行っていても、継続してできないと思います。みんなで一緒に繰り返し行うことで、継続して取り組むことができます。また、週に1回だけでも外に出て、皆さんとお話しして、笑顔になることが認知症の予防にもなり、大切なことだと考えています」。
「年々、参加者の高齢化が進み、病気にかかったり自宅から出られなくなったりする人が増えているので、もっとたくさんの人に参加してもらいたいです。1度参加していただければ、楽しいことに気が付きます。週に1回みんなで集まって、運動したり、歌を歌ったりして、楽しい時間を過ごし、参加者の笑顔を作りたいです。それが、白馬町から認知症を出さないことにつながると考えています」と目標を思い描いていた。
お問い合わせ
保険課
電話番号
53-8457(ミナ.クル2階)