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長年の功績に光
長年にわたりそれぞれの分野で尽力された方々が、栄誉に輝かれました。
観光事業振興功労・産業振興功労
元 日本観光旅館連盟北陸支部常務理事
元 七尾商工会議所副会頭
相談役を務める「加賀屋」から「おもてなしの心」を世界に発信し、地域の魅力を高める事業を広く展開。時代と共に変化するお客様の旅行ニーズに応じた地域づくりと観光産業の発展に尽力し、地域の活性化や交流人口の増加に貢献されました。
海上保安功労
元 新潟海上保安部巡視船えちご業務管理官
海上での現場経験を生かし、海上保安庁の多くの船舶を設計。「毎日少しでも限界を越えるつもりで何事にも挑戦してきた」と積み重ねを大切にしてこられました。船内業務をまとめる業務管理官を務め、海上の安全と治安確保に尽力されました。
教育功労
元 公立高等学校長
38年の教員人生の土台にあったのは「生徒の良いところを伸ばし、社会で活躍する人になってほしい」という思い。
七尾高等学校校長を退任後も七尾市教育長として教育の振興発展に尽力されました。
元 七尾鹿島広域圏事務組合消防監
1年の消防業務で胸に刻んでいたのは「自分の生活よりも市民の安全安心が第一」という使命感。
消防職員として危険性の高い業務に従事し、消防力の強化や発展に尽力されました。
立ち上がった地域の思いは一つ「子どもたちを守りたい」
東湊地区防犯協議会顧問 大湯隆雄さん(万行町)
「おはようございます。風邪ひいとらんか」「明日持久走大会やな、頑張れんぞ」。東湊小学校の児童が登校する午前7時過ぎになると、通学路の一角に旗を持って立つ大湯さん。一人一人名前を呼んで話し掛け、児童も大湯さんの姿が見えると「大湯さーん」と少し離れたところからでも元気な声を届ける。大湯さんが旅行で2日間不在にした時には、ある児童から「大湯さん、何でお休みしていたの」と声を掛けられたという。「私らは子どもたちの見守りをしとるようで、反対に見守られとれんわいね」と絆を思わせるエピソードを話してくれた。
東湊地区防犯協議会は昭和45年に東湊防犯委員会として発足し、現在は28人で活動している。顧問の大湯さんは昨年までの6年間会長を務め、子どもたちの登下校時の見守りを中心に、青色回転灯を付けた車両での地域巡回(以下青パト)や、民生委員や七尾警察署と連携して行う見守り活動など活動の幅を広げてきた。その取り組みが評価され、中部ブロック防犯ボランティアフォーラムで活動事例を発表し、警察庁が中部代表に選出。10月28日に東京都で行われた防犯ボランティアフォーラムでは、大湯さんと会長の小林寛仁さんが全国6団体の1つとして活動内容を発表し、他団体と意見交換などを行った。フォーラムでの発表は県内で2団体目、能登地方では初の発表団体となった。
地域を守る青い光
特に不審者が多くなる夏休み期間中、会員は子どもたちに早く帰宅してもらおうと夕暮れ時にほぼ毎日青パトを行っている。初めは2台で地域を回り続けたが、月300キロメートル近く走る青パトの燃料代は協議会からの活動費だけでは足りず、ほとんどが自己負担。子どもたちの姿が見えることもほとんどなく「皆さんに無駄なことをお願いしているのではないか」と不安に感じた大湯さん。そんな時に「私らはお金が欲しくてやっとるんじゃない。子どもたちのためにやっとるんや」と別の会員が強く背中を押してくれた。地域の保護者からも「夕方になると、子ども同士で『今から青パトが来るから帰らなきゃだめだ』と声を掛け合っているようです。皆さんのおかげですね」と聞き、胸をなでおろしたという。現在は5台で活動し、平成28年度の出動回数は692回。地域が一体となった見守り体制も確立され、これまで毎年2~3件あった不審者情報もここ数年は全くない。
子どもたちの笑顔と成長が原動力
6年生の卒業時には会員宛てに「いつもありがとうございます」「これから下級生の見守りもお願いします」と感謝の手紙が届き、胸がいっぱいになるという大湯さん。「みんな自分の孫みたいにかわいい。子どもにいつも元気もらっとるわいね」と笑顔で話し、雨の日も雪の日も行う毎朝の見守り活動を負担に感じたことはないという。「協議会の活動がやりすぎやって地域の人に言われたこともあるけど、子どもの安全には代えられん。こんだけできらんも、一緒に頑張ってくれる皆さんのおかげやわいね」と胸を張る大湯さん。今後は市内団体に広く活動を伝え、見守りの輪を広げようと意欲をみなぎらせている。