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更新日:2019年11月5日

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広報ななお
七尾ごころ

令和元年(2019年)11月号No.182

声で届けるもう一つの広報

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ご存じですか?声の広報
声の広報とは、目が不自由で広報ななおを読むことが困難な人のために、記事を音訳してCDに録音したものです。

声の広報を支える人たち
毎月約24ページある広報誌を音訳してCDに録音すると、再生時間は午前2時間ほど。本文だけでなく、掲載されている写真の様子や説明で使っているグラフも、全て言葉にして読み上げています。目で見ると分かりやすいものでも、言葉だけで説明するのは容易ではありません。そんな大変な音訳をボランティアの人たちが協力して行っています。
現在「まなざしの会」や「七尾鹿島手をつなぐ育成会」、個人で活動するボランティアの合計17人が、1人約2ページを音訳しています。読む前には、どうしたら聞きやすいかを考えたり、読み間違いがないように練習したりと準備をして録音作業に取り掛かります。
全ページの録音が終わると次は編集作業です。担当は、七尾鹿島手をつなぐ育成会の八﨑和憲さん。録音したものをつなぎ合わせ、それぞれ違う声の音量を調節します。出来上がったのは全ページの音訳が入った利用者18人分のCD。無料で配達してもらえる袋に入れて、郵便局から利用者の元へ届けられます。録音から発送作業が完了するまで、約1週間かかります。

声を届けて27年
広報誌の中でも情報量が多い情報通のページを担当するのが、まなざしの会の皆さんです。まなざしの会は、NTTで電話交換手(オペレーター)の仕事をしていた人たちの音訳グループ。平成4年4月に会を発足し20年以上ボランティアを続けています。

(写真説明)声の広報CDと専用の再生機、無料配達の袋
(写真説明)まなざしの会代表高尻恵子さん

読むだけではない、伝えることの難しさ
ただ文字を追って読むだけでは内容は伝わりません。例えば「箸」を「はし」と読むと、聞く人は「橋」と勘違いしてしまう可能性があります。そういった勘違いをしてしまうような言葉は、分かりやすく「ご飯を食べる箸」などと言い換える配慮を忘れません。ゆっくり丁寧に記事を読むメンバー。担当するページの最後には「〇〇町の〇〇がお伝えしました」と自分が住む町名と名前を名乗ります。少しでも聞き手に親近感を持ってもらいたいという思いが込められています。
「毎月大変じゃないですか?」と尋ねると「また声の仕事ができて懐かしい。仕事の時とは違うけど、やりがいがある」「月に1回みんなで集まって、話をすることが楽しい」と笑顔で答えてくれた皆さん。声の広報はこうしたボランティアの人たちによって支えられています。
(写真説明)七尾鹿島手をつなぐ育成会の皆さん
(写真説明)まなざしの会の皆さん
1、録音する前には読み方を確認
2、分かりやすく説明するためのメモを原稿に書き込む
3、まなざしの会の録音風景
4、七尾鹿島手をつなぐ育成会の録音風景
5、編集作業
6、CDが再生されるか確認して発送

七尾鹿島手をつなぐ育成会
八﨑和憲さん

七尾鹿島手をつなぐ育成会は、知的障害を持つ人の親の会です。声の広報がカセットテープからCDに変わった平成26年8月に制作業務を市から委託されました。
当時市役所ではカセットテープに録音していたので、市もパソコンでCDに編集する方法が分からず、いろいろ調べました。特に、声の音量を調節するのに苦労しました。カセットテープの時は、吹き込む人によって声の音量が違い、聞きにくいと聞いていたので、CD化を機に音量を調節ができないかと試みました。今では簡単に調節できるので、昔と比べれば聞きやすくなったと思います。
録音や編集は労力や時間がかかりますが、障害を持つ人の力になれるのであればと頑張っています。声の広報を楽しみにしている人のために、これからも続けていきたいと思います。

 

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声の広報利用者×音訳ボランティア

音訳ボランティアの皆さんが、利用者の皆さんの声を聞いてみたいという要望を受け、意見交換する機会を設けました。利用者の奥正さんと保藏芳夫さんに協力をお願いし、座談会形式で声の広報をテーマに語ってもらいました。

声の広報利用者保藏芳夫さん、奥正さん
音訳ボランティアの皆さん高尻恵子さん、佐藤清恵さん、八﨑和憲さん

声の広報を聞いて思うことは?
保藏:視力は少しあるのですが、広報誌は文字が小さくて読みにくいので助かります。忙しくて聞けないときもありますが、聞きにくいことはないです。
奥:声の広報は市の情報を知る唯一の手段なので、ボランティアの皆さんには感謝しています。一つ要望があるのですが、CDを返送する袋に入っている宛名カードに、裏と表が分かるように目印を付けてほしいです。
八﨑:点字がある宛名カードもありましたが全部には入っていませんね。点字が読めないので書いてある文字は分からないのですが。
奥:点字じゃなくてもシールでも貼ってあれば裏か表か分かります。時々、裏と表を間違えて自分の住所に戻ってきたことがあったので。
八﨑:それは気が付きませんでした。
高尻:手で触って分かるように片方に目印があればいいのですね。
八﨑:目印を付けたら、「こんな目印をしました」とCDに吹き込めばいいですね。
高尻:CDになったら聞きやすいですか?
奥:そうですね。
八﨑:話すスピードやページが変わる時の間の長さが、今のままでいいのかも分からなくて。
佐藤:私は項目が変わると、間を置くだけで「次に」とは言っていなくて、高尻さんとかは「次に」と言っていますが「次に」と言った方が分かりやすいですか?
保藏:どちらでも分かります。ただ「次に」と言うと時間が長くなりますね。
奥:私はそんなに長いと感じないので「次に」と言っていただいても大丈夫ですよ。
佐藤:読み手の好きなように読んで大丈夫ということですね。
八﨑:毎月平均したら最初から最後まで午前2時間くらいになりますね。
佐藤:長いですよね。
八﨑:ボタン一つで聞きたいページに進めるように設定はしてあるのですが。
奥:それはいいですね。
保藏:そういったことができるとは知りませんでした。
八﨑:ページを切り替えられることも、CDに吹き込んで説明すれば分かりやすいかもしれませんね。気軽に問い合わせができるよう、私の電話番号も吹き込んでおきますね。
佐藤:私は表を読むのが苦手で毎回読み方に頭を悩ませるのですが、今の読み方で伝わっていますかね?
奥:大丈夫ですよ。

これまで聞いた声の広報で印象に残っていることは?
奥:石崎小学校の子どもが読んでくれたことがありましたね。
佐藤:子どもの声は可愛くていいですね。笑顔がこぼれますね。
八﨑:小学校の放送委員とかに頼むというのもいいかもしれませんね。たまに子どもの声もあったら新鮮ですよね。子どもたちにも視覚障害者の皆さんを知ってもらう良い機会になると思います。

広報誌への意見などはありますか?
保藏:拡大鏡で誌面を見ることもあるのですが、もう少し文字を大きくしてもらえたらいいなと思います。
奥:私は特にありません。
高尻:よく聞くページとかありますか?
奥:全ページ聞きます。
佐藤:私たちより広報通ですね。
八﨑:今日は貴重なご意見ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
奥・保藏:こちらこそよろしくお願いします。

目が不自由な人の「目」になって
目が不自由な人にとって情報を得る手段は、テレビやラジオなどの耳から入る音しかありません。しかし、地域に密着した情報はテレビやラジオでは的確に得られません。「声の広報」は地域情報を知る大切な手段なのです。
近年、ホームページや携帯などの読み上げ機能で広報誌の内容を聞くこともできますが、機械の声と人の声では温かみが違います。聞く人を思いながら作り上げる心の込もった「声の広報」。これからも、目が不自由な人の「目」となって、声を届け続けます。

声の広報を利用したい人
目が見えない、見えにくい人で声の広報を利用したい人は、福祉課までご連絡ください。
問い合わせ
福祉課
電話番号53-8464

声の広報CDは市立図書館で貸し出しをしています
広報発行日から1カ月ほど遅れますが、市立図書館で声の広報CDを貸し出しています。
※平成28年9月号以降分のみ
問い合わせ
市立図書館
電話番号53-0583

お問い合わせ

所属課室:企画振興部広報広聴課

〒926-8611石川県七尾市袖ケ江町イ部25番地

電話番号:0767-53-8423

ファクス番号:0767-52-0374

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