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(写真説明)撮影:橋本義則/平成27年11月/佐渡市で放鳥されたトキが能登島鰀目町に飛来
8月5日、世界農業遺産に認定されている「能登の里山里海」の能登地域がトキの放鳥候補地に選定されました。
令和8年以降の放鳥の実施に向けて、環境省や新潟県佐渡市などと連携して、トキと共生する里地づくりに取り組みます。
トキはかつて全国各地に生息し、能登半島には昭和36年まで繁殖していました。?市でも中島町河内の須久保のアカマツ林をねぐらに、トキが生息していた記録が残っています。
しかし、明治から昭和初期に羽毛を採るために乱獲されたこと、昭和以降は森林伐採による繁殖地の減少や、農薬の多用による餌となる生物の減少などが要因となり個体数は減少しました。そして、平成15年に日本産のトキは絶滅しました。
以降、日本では中国から譲り受けたトキを人工的に繁殖・飼育し、個体数の増加に取り組んでいます。平成20年からは野生復帰のための放鳥も佐渡市で開始され、現在400羽を超えるトキが野生で生息し、七尾市にも飛来しています。
ペリカン目トキ科トキ属
学名NipponiaNippon(ニッポニア・ニッポン)
特別天然記念物、国際保護鳥
大きさ体長約75cm、くちばしの長さ約18cm体重約2kg
生態春から夏にかけての繁殖期に大木の枝に巣をつくり、産卵、子育てを行う。
食べ物湿地や水田にすむ生物を食べる。(ドジョウやカエルなど)
トキが生息するためには、浅い水辺などの1年を通じて餌が採れる環境と、ねぐらや巣を作る場所となる森林が欠かせません。
トキの野生復帰に取り組む佐渡市では、水田やビオトープ、農道、あぜなどが主な餌場となり、水田に近い屋敷林、社寺林、防風林、管理された人口林が、ねぐらや巣を作る場所となっています。
また、トキは人里を主な生息域としていますが、臆病な性格のため、近づかずに静かに見守ることが大切です。トキとの共生のためには、地域住民一人一人の配慮と協力が必要です。
耕作の維持や間伐といった里山の適正管理が、古くから自然や生きものと共生してきた豊かな七尾の里山里海を守り、さらに、トキが生息できる環境づくりにもつながっています。
市では今後、「トキが舞う里ななお」の実現に向け、地域のさまざまな団体と連携・協力し、トキをシンボルとした地域の活性化を推進します。
トキの生態や生息環境を学習して、トキと共生する里地づくりに取り組み、県と能登地域が一体となり、世界農業遺産に認定されている「能登の里山里海」から放鳥を実現させたい。
いしかわ動物園「トキ里山館」とNPO法人日本中国朱鷺保護協会名誉会長の村本義雄氏を訪れ、トキの生態やこれまでの取り組みなどについて視察を実施しました。(令和4年8月18日)
朱鷺棲む里山釶打クラブでは、かつてトキが生息していた中島町河内の須久保で、休耕田を活用したもち米づくりに取り組んでいます。田植えにより、田んぼではドジョウが顔をのぞかせるなど、トキの餌となる生きものでにぎわいを取り戻しています。
問い合わせは農林水産課電話番号53-5010