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市指定無形民俗文化財
(なたうち)釶打のおすずみ祭り
昭和53年(1978年)5月12日指定
地元で「しんごのおすずみ」と呼ばれるこの祭りは、緑濃い山々に囲まれた中島町藤瀬に鎮座する藤津比古神社(ふじつひこじんじゃ)(御本殿は国指定重要文化財)の夏季大祭で、毎年8月14日の夜に行われています。能登の各地で行われている奉燈を用いた祭礼です。
午後8時頃、藤津比古神社を本社とする各末社(まっしゃ)から、猿田彦(さるたひこ)・鉦(かね)・太鼓・奉燈などからなる祭り行列が参集します。
本社への参入後、約30分の神事が行われ、祭儀、神渡しの後、夜空に花火が打ち上げられる中、本社の神輿に続く形で、祭り行列は500メートル離れたお旅所「みずおとし」に向かいます。
「みずおとし」では、「ドットコ」と呼ばれる独特の太鼓と鉦のリズムに合わせて、地域に伝わる祭唄(まつりうた)「やんさこ」を担ぎ手たちが唄いながら、神輿を中心に3周練り回ります。午後11時30分頃から祭儀が行われ、その後、祭りの行列は、それぞれの末社へと戻っていきます。
キリコ祭りの多くが電飾に変わった中、この新宮納涼祭では、すべての灯りに、今なおロウソクが使われています。祭りの道中、高さ10メートル近い奉燈に、若い衆がよじ登り、素早くロウソクの交換を行い、火を灯す場面は、ほかのキリコ祭りにはない見所のひとつ。
ロウソクが使われているため、新宮納涼祭の奉燈の動きは、非常にゆったりとしています。家々の軒先をかすめながら進む石崎奉燈祭の迫力ある動きとは対照的に、決して激しく差し上げたり、ゆさぶったりはせず、流れるように練り歩くのです。
内側を鏡で飾りつけた大きな屋根の四隅に吊り下げられた提灯にも、ロウソクが灯され、奉燈の動きにあわせて、揺れ動きます。
周囲を里山に囲まれた漆黒(しっこく)の闇の中、奉燈の障子を通してゆらゆらと揺れるロウソクの灯りを眺めていると、まるで大昔にタイムスリップしたような不思議な感覚にとらわれます。
この魅力ある祭りを支える若い衆の減少は深刻です。かつては30基もの奉燈が集まっていたというこの祭りも、現在では、奉燈の数は10基ほどに減少しています。
従来、7月15日だった祭礼日を、反対意見もある中、平成4年から、お盆の8月14日に変更したのも、少しでも多くの人に祭りに参加してもらい、祭りを守りたいという強い思いからの決断だったといいます。
ロウソクの灯りへのこだわりは、この祭りを本来の姿で守り続けることで釶打という地を守りたいという地域の人々の強い信念の表れなのかもしれません。
笠師保納涼祭(かさしほのうりょうさい)7月13日(土曜日)
熊甲納涼祭(くまかぶとのうりょうさい)7月20日(土曜日)
塩津かがり火恋祭り7月27日(土曜日)
六保納涼祭(ろっぽのうりょうさい)7月27日(土曜日)
新宮納涼祭(しんごのうりょうさい)8月14日(水曜日)
問い合わせ
七尾市観光協会
電話53-8424