タイトル:七尾里山里海百景

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概要

七尾湾を中心とした豊富な資源から漁師町としても栄え、また能登らしい固有の農業文化も育み守られてきた、七尾市の里山里海の百の景色を紹介する電子ブックです。

73食七尾里山里海百景061のと能登ふぐ漁獲量は日本一、天然の能登ふぐ能登海域では、ごまふぐをはじめ、とらふぐ、真ふぐ、ひがんふぐ、しろさばふぐなど、さまざまな天然ふぐが多く漁獲される。しかし、石川県が天然ふぐの漁獲量日本一(平成24年現在)であるということは、ほとんど知られていない。また、水揚げされたふぐのほとんどは下関や大阪に出荷されてしまうため、石川県内ではあまり消費されていないという事実がある。そこで、能登で漁獲された天然ふぐを「能登ふぐ」としてブランド化し、食の看板メニューとなるよう地元での消費を拡大し地域活性化に貢献するため、七尾市の有志たちが集い、平成24年(2012)、「能登ふぐ事業協同組合」が発足された。漁業者・水産加工業者・飲食店・宿泊施設など「能登ふぐ」の流通にかかわる事業者が一意団結をして組織化し、互いの経営経験、資源を活かした協同事業を行うことで、組合員の経済的地位向上を図ることを目的としている。各店舗の情報発信はもとより、「能登ふぐ祭り」として、各店舗協同のキャンペーンを開催したり、調理勉強会などを行うなど、地域の飲食店で広く能登ふぐが使われるような取り組みがなされている。ふぐの味わい方は、てっさ(ふぐの刺身)、てっちり(ふぐ鍋)、唐揚げ、ふぐのタタキなど多彩だが、七尾市内の洋食店では、さらに、パスタやブイヤベースなど、その風味を存分に活かした多様なメニューが提供されている。ところで、天然のふぐは長距離を泳いで日本全国を回遊しており、能登で放流されたふぐが愛知県で漁獲されるという例もある。これほど長距離移動するふぐたちも、産卵時期にあたる春先から初夏にかけて能登にやってくる。産卵期に訪れるふぐからは白子や卵巣をたくさん採ることができる。これが、石川県の伝統食である「ふぐの卵巣糠漬け」の生まれた背景であると考えられている。参考文献―ホームページ『能登ふぐ』(能登ふぐ事業協同組合)『石川新情報書府』(石川県)「ふぐの卵巣の糠漬け」七尾湾では様々な種類のふぐが水揚げされるとらふぐ