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更新日:2016年12月5日

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青柏祭の曳山行事など「山・鉾・屋台行事」ユネスコ無形文化遺産に登録

「山・鉾・屋台行事」を構成する18府県33の国指定重要無形民俗文化財

青森県

八戸三社大祭(はちのへさんしゃたいさい)の山車行事(だしぎょうじ)

秋田県

角館祭(かくのだてまつ)りのやま行事(ぎょうじ)

土崎神明社祭(つちざきしんめいしゃさい)の曳山行事(ひきやまぎょうじ)

花輪祭(はなわまつり)の屋台行事(やたいぎょうじ)

山形県

新庄(しんじょう)まつりの山車行事(やたいぎょうじ)

茨城県

日立風流物(ひたちふりゅうもの)

栃木県

鳥山(からすやま)の山(やま)あげ行事(ぎょうじ)

鹿沼今宮神社祭(かぬまいまみやじんじゃさい)の屋台行事(やたいぎょうじ)

埼玉県

秩父祭(ちちぶまつり)の屋台行事(やたいぎょうじ)と神楽(かぐら)

川越氷川祭(かわごえひかわまつり)の山車行事(だしぎょうじ)

千葉県

佐原(さわら)の山車行事(だしぎょうじ)

石川県

青柏祭(せいはくさい)の曳山行事(ひきやまぎょうじ)

富山県

高岡御車山祭(たかおかみくるまやままつり)の御車山行事(みくるまやまぎょうじ)

魚津(うおづ)のタテモン行事(ぎょうじ)

城端神明宮祭(じょうはなしんめいぐうさい)の曳山行事(ひきやまぎょうじ)

岐阜県

高山祭(たかやままつり)の屋台行事(やたいぎょうじ)

古川祭(ふるかわまつり)の起(おこ)し太鼓(だいこ)・屋台行事(やたいぎょうじ)

大垣祭(おおがきまつり)の軕行事(やまぎょうじ)

三重県

鳥出神社(とりでじんじゃ)の鯨船行事(くじらぶねぎょうじ)

上野天神祭(うえのてんじんまつり)のダンジリ行事(ぎょうじ)

桑名石取祭(くわないしどりまつり)の祭車行事(さいしゃぎょうじ)

滋賀県

長浜曳山祭(ながはまひきやままつり)の曳山行事(ひきやまぎょうじ)

愛知県

尾張津島天王祭(おわりつしまてんのうさい)の車楽舟行事(だんじりぶねぎょうじ)

知立(ちりゅう)の山車文楽(だしぶんらく)とからくり

犬山祭(いぬやままつり)の車山行事(やまぎょうじ)

亀崎潮干祭(かめざきしおひまつり)の山車行事(だしぎょうじ)

須成祭(すなりまつり)の車楽船行事(だんじりぶねぎょうじ)と神葭流(みよしなが)し

京都府

京都祇園祭(きょうとぎおんまつり)の山鉾行事(やまほこぎょうじ)

福岡県

博多祇園山笠行事(はかたぎおんやまかさぎょうじ)

戸畑祇園大山笠行事(とばたぎおんおおやまがさぎょうじ)

佐賀県

唐津(からつ)くんちの曳山行事(ひきやまぎょうじ)

熊本県

八代妙見祭(やつしろみょうけんさ)の神幸行事(しんこうぎょうじ)

大分県

日田祇園(ひたぎおん)の曳山行事(ひきやまぎょうじ)

 

昭和58年に国の重要無形民俗文化財に指定された「青柏祭の曳山行事」。10月31日、この青柏祭を含む18府県33の祭りで構成する「山・鉾・屋台行事」をユネスコ(国連教育科学文化機関)の補助機関がユネスコ無形文化遺産代表一覧に記載するよう勧告し、11月28日から12月2日にかけてエチオピアで開催された政府間委員会で登録が決定した。

青柏祭は毎年5月3日から5日に行われる日本最大級の曳山行事。『でか山』と呼ばれる山車は、高さ約12メートル、重さ約20トンにもなる若衆や見物客らが巨大な3台のでか山の綱を曳き、大地主神社(山王神社)から中心市街地を練り歩く。以前は5月13日から15日に行われていたが、平日開催時の担い手不足解消や多くの見物客が見込まれるゴールデンウイークへの日程変更、運行ルートの変更などを行ってきた。でか山の組み立て方や役割などは親から子へ、子から孫へと伝えられ、500年以上の長い歴史を刻み受け継がれてきた。

今回、ユネスコ無形文化遺産に登録される33の祭りにはそれぞれ保存団体があり、地域の安泰や豊作などを願って住民が一体となり執り行う。木工や金工、漆塗り、染織といった伝統技術で飾った山車を引いて練り歩くのが特徴。多くは江戸時代が起源で、全てが国の重要無形民俗文化財に指定されている。

その中には地域によって過疎や高齢化で継承が難しくなっている祭りもある。日本一のでか山を曳く能登を代表する青柏祭も、少子高齢化による担い手不足など各世帯や一人一人の負担が大きくなってきているのが現状。関係者は登録を機にでか山が見直され、新たな担い手の確保に期待を寄せる。

でか山を運行する3つの山町それぞれに『総代』という代表者がおり、現在、府中町は飛騨和男さん、魚町は中村巧さん、鍛冶町は清水寛さんが総代を務める。総代が中心となってでか山の管理や日程、運行ルートなど、祭りを指揮する『青柏祭でか山保存会』がある。

保存会の会長も務める府中町の飛騨さんは「登録された祭り文化を我々が継いでいくには、少子高齢化の対応などで行政や地域の支援が必要」と話す。でか山の運行は地域の支援がないと続けることができないため、地域の活性化が必要だと総代たちは感じている。魚町の中村さんは「先輩たちが積み重ねてきたから今がある。登録される喜びと重みを感じている」と使命感を強く抱く。鍛冶町の清水さんは「昔は自分の山町だけが元気であればと思ったが、今はそんな時代じゃない。3町が力を合わせてやっていかなければならない」と力強く語った。

近年、青柏祭を知ってもらおうと若衆らが各山町近くの園児や児童に木遣り唄を披露したり、骨組みなどの見学会を開いたりと、後継者育成につなげる取り組みを継続的に行っている。また、10数年前から『でか山の森』で、でか山の骨組みやてこなどに使われるカシやケヤキの木を植樹し継承に向けて励んでいる。

こうした取り組みによって祭りが何世紀にもわたって維持され、地域の絆を強める役割を果たしてきたことが、今回の登録につながった。

総代たちは、青柏祭が登録された新たな歴史の1ページに関われたことを誇りに感じ、でか山の武者人形など歌舞伎の場面の飾り付けや外国人観光客の対応に意欲をみなぎらせる。ユネスコ無形文化遺産登録を追い風に、今後のでか山のにぎわいや伝統文化の継承に向けて新たな歴史が始まる。

お問い合わせ

所属課室:企画振興部広報広聴課

〒926-8611石川県七尾市袖ケ江町イ部25番地

電話番号:0767-53-8423

ファクス番号:0767-52-0374

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