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更新日:2013年2月1日

広報ななお:平成23年10月号8・9ページ

 新たな水産業『トリガイ』

「七尾でトリガイが獲れるの?」と思われた人も多いと思います。トリガイは二枚貝の一種で、トリガイ漁は小型底曳網(貝桁網漁業)で行われます。七尾湾産のトリガイは、市場では高値で取り引きされる高級品です。肉厚で黒色をしたその身を食べると、海の香りが口いっぱいに広がり、噛むたびに甘味が出てきます。値段が高いのも納得です。

しかし、トリガイの漁獲量は減少傾向にあります。平成10年頃までは100トン以上の生産を誇りましたが、それ以降は2~3トン程度にとどまっています。(もともと二枚貝の仲間は、増えたり減ったりすることが多い水産物です)

何とかトリガイを安定供給できないかと考え、平成21年度から石川県とともにトリガイの養殖に向けた試験を行っています。昨年は、夏場の高水温などトリガイ養殖にとって悪い条件が続いたものの、順調に成長しました。七尾湾はトリガイの養殖に適した海域であると考えられています。

皆さんの食卓に七尾湾産のトリガイをお届けできるよう、今後も取り組んでいきます。

七尾産の天然ものは一級品 新たな産業を生み出す「夢」を託したい 石垣康弘(いしがき やすひろ)さん 石川県漁業協同組合ななか支所 支所運営委員長

七尾湾は魚から貝、海草までがそろう、素晴らしい漁場です。七尾産の天然のトリガイは市場では一級品として取引されています。近年の研究により、七尾湾で養殖できる目途がつきました。これは注目すべきことで、放っておく手はありません。何でも最初は辛いもの。新たな産業を生み出すためには「夢」を託すくらいの気持ちがなければなりません。今が新しい商品開発のチャンスです。

これは私の持論ですが、養殖はやはり天然ものには勝てませんので、何か付加価値をつけなければならないと思います。例えば「ブリ大根」のようなイメージです。ブリだけでもなく、大根だけでもダメ。両者がタイアップすることで、おいしい食べ方が生まれます。一番おいしい食べ方を知っているのは漁業者です。

今後は魚(漁業)単独ではやっていけない時代です。恵まれた環境を守りつつ、先を見てやらなければなりません。七尾独自の新しい発想で天然を超える養殖の味を生み出していきたいと思います。

 海のミルク『能登かき』

七尾湾の、冬の海の幸といえば「能登かき」です。七尾西湾域(中島・田鶴浜地区)を中心に、マガキの養殖が行われています。七尾湾での養殖の歴史は古く、大正時代に始まりました。里山里海の恩恵を受けエサとなるプランクトンが豊富なため、七尾湾の「能登かき」は1年で出荷することができます。全国シェアは約1%に過ぎないものの、日本海側では最大の産地です。

カキは「海のミルク」と呼ばれています。タンパク質、脂質、糖質がバランスよく含まれ、さらにカルシウムなどのミネラルも豊富で、理想的な健康食材です。この栄養満点のおいしい「能登かき」を食べてもらえるよう、市内の保育園の給食にも提供しています。また、旬となる2月には「七尾湾能登かき祭り」(24年2月25日・26日開催予定)、3月11日には「能登和倉万葉の里マラソン」に提供するなど、地元に密着した取り組みも行われています。今年も10月から出荷がはじまった「能登かき」。皆さんも、地元のおいしいカキを食べてみてください。

「能登かき」は「石川県漁業協同組合」によって平成22年に商標登録されました。

七尾湾のカキに自信あり 「能登かき」のブランド化を進めたい 瀬上 毅(せがみ つよし)さん 石川県漁業協同組合七尾西湾支所 支所運営委員長

里山から流れ出る養分をたっぷり含んだ川が、狭い海域に何本も流れ込んでいる七尾湾は、海域の栄養分が豊かなことが特徴です。七尾湾の能登かきは1年ものが主流です。全国的には、見栄えがする大きいものが良いというイメージがあるかもしれませんが、味は1年ものが良いのです。

カキはたくさんの海水を吸ったり吐いたりするため、海水の浄化能力に優れています。海水中の二酸化炭素を吸い込んで殻を形成するため、地球温暖化防止にも役立っています。また、魚がカキ棚で卵を産んで育つという一面もあります。

収穫後、別のカゴに移し替えて海水中に1カ月程度置いてから出荷しています。波にもまれて貝殻の表面がきれいになり、身もしっかり締まるからです。最近では殻付きの需要が高く、全国からの問い合わせも増えているので、もっとブランド化を進めたいと思っています。

「能登かき祭り」や「七輪まつり」などで味わう機会もありますので、地元の味をゆっくり堪能してください。

 

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〒926-8611石川県七尾市袖ケ江町イ部25番地

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ファクス番号:0767-52-0374

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