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七尾湾の冬の味覚として、忘れてはならないのが「ナマコ」。見た目がグロテスクなので、調理したり食べたりしたことがないという人も多いのではないでしょうか。ただ、石川県全体の漁獲量をみると、そのほとんどが七尾湾産なのです。七尾では古くから「このわた・干しくちこ・きんこ(乾燥なまこ)」といった加工品が手作業で作られています。ナマコ漁は小型底曳網(なまこ桁網)で行われますが、漁獲量は昭和40年代に1,000トン以上あったものが、現在では300トン台にまで落ち込んでいます。
最近では石けん・化粧水・レトルト食品・うどんなどの新しい商品が生まれています。また、「能登なまこ料理コンテスト」、「全国なまこ会議」、「なまこ供養祭」、「なまこ川柳」など「能登なまこ」の知名度アップを目指したユニークな取り組みも行われています。市では、「能登なまこ」を増やす→獲る→加工する→食べてもらうという流れで、ナマコ産業を活性化させ、「なまこのまち・七尾」を作りたいと考えています。
「能登なまこ」は「能登なまこ加工協同組合」によって平成21年に商標登録されました。
「香り」はプラス、「臭い」はマイナスのイメージ。七尾湾のナマコは海の香りがします。
最近では獲れる量も少なくなりましたが、40年ほど前には、ナマコの上にナマコがいるというほどたくさんいたことを思い出します。自然石を使った護岸がだんだんとコンクリート護岸に変わり、ナマコの数も少なくなったように感じます。
ナマコはコラーゲンたっぷりで独特の食感が味わえます。一番おいしいのはやはり「酢の物」ではないでしょうか。子どもはあまりナマコを食べないので、普段料理を作る人もナマコ料理は作らないかもしれません。食べにくいという人は、ゆでるとやわらかくなるので、酢みそをつけてたべれば子どもでも食べやすいと思います。七尾湾特有の土質は栄養分豊富で、ナマコの味も他の地域とは違います。味には自信があります。ナマコを酒の肴にすると二日酔いしないとも言われています。
今後の見通しは決して明るいことばかりではありませんが、光を見つけながら、天然の湾(=七尾湾)を活かしていきたいと思います。
富山湾沿いの定置網漁業は約400年の歴史があります。織田信長にブリを献上したとの記録も残されており、日本最大級とも言われる規模と漁獲高を誇ります。春にはマアジ、マサバ、マダイ、初夏にはクロマグロ、秋にはフクラギ、カマス、アオリイカ、冬にはブリ、スルメイカなど、ここには書ききれないほどの多くの魚種が獲れています。定置網は、自然に入ってくる魚を獲っているため、環境にやさしい漁業と世界からも注目されています。
平成14年には「いきいき七尾魚」の商標登録も行い、漁業者・流通業者・市場が一体となって全国の人に知ってもらえるブランド魚を目指しています。最近では、「石川の農林漁業まつり」(金沢市)や「築地市場まつり」(東京都)にも参加し、漁業者とともにPR活動を行っており、評判も上々です。このような活動によって、全国の市場関係者には、「いきいき七尾魚」や「七尾市」という産地名が広く知られるようになってきました。皆さんもこの機会に「いきいき七尾魚」を覚えてください。
定置網は決まった場所で待っているだけの「待つ漁法」なので、資源の乱獲にはなりません。漁場が近いので、操業のためにたくさんの油も使わず、環境にも優しい漁法です。将来に向けても有望な漁法だと自負しています。
七尾は目の前に資源があるぜいたくな場所です。全国的にもだんだん知られるようになってきているという実感はありますが、まだまだ七尾は食文化が乏しいのではないでしょうか。
私たちが住む目の前には漁場があり、恵まれた環境にあります。七尾は能登の食文化の中心となるべきだし、中心になれる場所だと思います。
七尾にはいろんな意味で能力があります。要はやる気であり、そのための人づくりが肝心です。楽をしていてはダメです。苦しいことに立ち向かう力が必要です。底力は十分にあります。私たちはそれを活かす術を知り、それを学ばなければなりません。
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