タイトル:七尾里山里海百景

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概要

七尾湾を中心とした豊富な資源から漁師町としても栄え、また能登らしい固有の農業文化も育み守られてきた、七尾市の里山里海の百の景色を紹介する電子ブックです。

食七尾里山里海百景063かぶら寿しを樽に漬け込む様子加える工程を繰り返し、何少量のなんば(唐辛子)をらに千切りの人参と柚子、敷きつめて糀をのせる。さに鰤を挟み込み、桶の中に下準備ができると、かぶらにするのである。それらの甘酒に近いドロドロの状態ておくことで発酵が促され、器の中で保温する。保温したご飯をまぜあわせ、炊飯おく。さらに、糀と、炊いして塩に漬け、数日おいてまって脂ののった鰤をおろ水揚げされた、身が引き締にする。また、定置網漁でて皮をむき、切って塩漬けれたかぶらを畑から収穫し寒さでより甘みが引き出さ起源は、江戸時代、金沢の漁師が、豊めると、かぶら寿しづくりが始まる。味が上品な料理である。かぶら寿しの七尾でも、12月になり、雪が降り始糀の甘み、かぶらの歯ごたえと鰤の旨起源は定かではない。させる「なれずし」の一種とも言われ、て出されたなどの言い伝えが残るが、冬の保存食である。魚を塩と米で発酵が湯治に来られた時の料理の一つとしに、鰤の切身を挟んでぶりこうじ糀で漬け込んだとして出したという話や、前田の殿様かぶら寿しは、輪切りにしたかぶら漁と安全を祈う起舟祭の際のごちそう各家庭で受け継がれる、正月のごちそうかぶら寿しず末にかぶら寿しができあがると、遠方よっても微妙に味が異なっている。年その家庭の味の趣向、使われる材料にの代わりに鯖を挟みこむこともあり、さば無い場合は大根を使って漬けたり、鰤層にもして漬け込んでいく。かぶらがと幾世代も伝えられている一品である。るが、家庭料理としても、母から娘へ尾の正月には欠かせないごちそうであかぶら寿しは、おせち料理とともに七に住む親戚などに配る人も多いという。かぶら寿し参考文献―書籍『世界農業遺産「能登の里山里海」情報ポータル』(「能登里山里海」世界農業遺産実行委員会)「伝統技術」『能登スタイル』「のとぐらし」75