タイトル:七尾里山里海百景

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概要

七尾湾を中心とした豊富な資源から漁師町としても栄え、また能登らしい固有の農業文化も育み守られてきた、七尾市の里山里海の百の景色を紹介する電子ブックです。

はじめに………………………………………………………………………GIAHSとは世界農業遺産(Globally Important Agricultural Heritage Systems(GIAHS):ジアス)は、平成14年(2002)、食料の安定確保を目指す国際組織「国際連合食糧農業機関」(FAO、本部:イタリア・ローマ)によって創設された。背景には、近代農業の行き過ぎた生産性への偏重が、世界各地で森林破壊や水質汚染等の環境問題を引き起こし、さらには地域固有の文化や景観、生物多様性などの消失を招いてきたことが挙げられる。世界農業遺産の目的は、近代化の中で失われつつあるその土地の環境を生かした伝統的な農業・農法、生物多様性が守られた土地利用、農村文化・農村景観などを「地域システム」として一体的に維持保全すること及び、それらの次世代への継承である。国際連合教育科学文化機関(UNESCO(ユネスコ))が推進する世界遺産が、遺跡や歴史的建造物、自然など「不動産」を登録し保護することを目的としているのに対し、世界農業遺産は、農林漁業を中心に地域のシステムを認定し、その維持・保全、さらには継承へとつなげていくことを目指している。能登の里山里海とは平成23年(2011)6月、「能登の里山里海」が「トキと共生する佐渡の里山(新潟県佐渡市)」とともに、日本で初めて世界農業遺産に認定された。能登は地域に根ざした里山里海が集約された地域であり、「能登の里山里海」の認定は、その総合力が高く評価された。農林漁業とそれに関連した人々の営みのすべて、いわば、能登の里山里海で育まれる暮らしそのものが「世界農業遺産」と認められたのである。七尾における里山里海について能登半島は低山と丘陵地が多く、平地が少ない。また、三方の海岸線は「外浦」と呼ばれる岩礁海岸、「内浦」と呼ばれるリアス式海岸、遠浅の砂浜海岸と、それぞれ異なる形を持つ。その中でも七尾市は、能登半島の中ほど、「内浦」に面した地域であり、比較的穏やかな気候から、かつては城が置かれ、能登地域を統治した都市である。七尾湾を中心とした豊富な海の資源から漁師町としても栄え、一方、能登らしい固有の農業文化も、育み守られてきた。本書では、七尾市各地における、里山里海の百の景色を紹介する。