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更新日:2017年11月2日

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広報ななお
七尾ごころ
平成29(2017)年11月号 No.158
特集
地域の足をどう守る

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運転を卒業できますか

75歳以上の運転者が起こした死亡事故件数、全国ワースト1位。これは警察庁が平成27年に75歳以上の免許人口10万人に対しての死亡事故件数を調査したもので、石川県は25・07件と全国最多。75歳未満の運転者に比べると、2倍以上の事故率を抱えている実態が浮かび上がりました。
今年3月に施行された改正道路交通法では、75歳以上の運転者が信号無視や一時不停止などの一定の違反行為を行った場合には「臨時認知機能検査」を受けることが義務付けられました。これは、運転者の記憶力や判断力が低下していないか検査するもので、結果が一定の基準に該当しない場合は臨時の高齢者講習の受講が義務付けられます。また、免許証更新時の「認知機能検査」も強化され、認知症のおそれがあると判定された人は、違反の有無を問わず医師の診断が必要となりました。
法改正によって認知機能の衰えによる事故の軽減が期待される一方、免許取消となれば生活の足を失ってしまう人も少なくありません。県内の65歳以上の運転免許証保有率(平成28年中)は約24%、つまり4人に1人が高齢運転者という数字は生活に車が欠かせないことを明らかにしています。今後さらに増える高齢運転者の事故を減らすサポートや、生活を支える地域の取り組みを考えます。

(写真説明)
1.記憶力や判断力を測定します
2.静止視力や動体視力、視野の広さを調べます
3.4 教習所内を実車走行して、運転の特性をドライブレコーダーの映像で振り返ります

加齢は不安、でも車を手放すのはもっと不安

「難しい検査なんだろうか」「結果が悪くて車を運転できなくなったらどうしよう」。検査を受ける75歳以上の高齢者は不安を抱えながら本番に臨みます。高齢者講習指導員の松浦文治さんは「加齢に伴って誰でも認知機能が低下し、その程度にも個人差が表れます。代替交通がない人や周りに助けを求められない人には、結果を伝えるのが心苦しいです」と胸の内を話してくれました。検査や講習の目的は、危険運転者を減らすことだけでなく、自分の感覚能力を理解し対策することにあります。今まで無事故だった人も過信することなく、夜間や悪天候時は運転を控えたり、「高齢者マーク」を表示したりすることが大切です。
また、全国の自動車学校では、脳の老化を遅らせるようなカリキュラムを組むところも増えてきました。七尾自動車学校でも、タブレット端末を使って参加者同士でゲームなどを楽しむ「脳若トレーニング」を導入し、高齢運転者を支援しています。心身の健康を維持することも、長く安全に運転するために必要なことです。

高齢運転者はこんなことが苦手

ブレーキをしっかり踏めない、踏むのが遅い
姿勢が悪くなり、脚力も弱まるので急ブレーキができません。つま先でペダルを踏む人が多く、ペダルを踏み替える時に引っかかることもあります。

一時不停止や信号無視など安全不確認が多い
注意が1点に集中しやすくなるので、停止しきらないまま目だけで確認したり、確認したつもりが視覚機能や判断力の低下で危険に気づいていなかったりします。

センターラインを割ったり、逆走したりする
空間の認識力が欠けてくるので、車幅感覚がわからなかったり、道路状況を察知しにくくなったりします。

高齢者の運転免許証自主返納を支援しています

運転に自信がなくなり「もう車は運転しない」と決めた人は免許証を返納することができます。
65歳以上の自主返納者には市内の協力事業所から七尾鹿島交通安全協会を通じて特典が贈られ、70歳以上の人にはさらに市から1万2千円が補助されます。
問い合わせ
防災交通課:電話番号53-6880 または 七尾警察署交通課:電話番号53-0110)

1.七尾警察署で免許証の取消申請をする。
2.運転免許取消通知書と運転免許証のコピーをもらう。
3.防災交通課または各地区行政サービスコーナーで
補助金申請を行うと、後日指定口座に振り込まれる。(2の書類・印鑑・通帳を持参)

返納者の声
高齢になって運転に不安を感じはじめたので、思い切って返納しました。不便に感じてはいますが、車の維持費もかかりませんし、買い物でも余計なものは買わなくなりました。事故を起こす前に返して良かったです。
瀧野勝弘さん(藤橋町)

身分証明書としての運転経歴証明書が申請できます。
運転免許証を返納した日(取消日)から5年以内であれば、警察署で申請できます。
(申請手数料1,000円、交通安全協会会員は無料)

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生活の足を地域で守っていく
―交通弱者を支える南大呑さわやか送迎サービス―

南大呑地区の花園口バス停から、山間部に向かって車で走ること約10分。さらに車1台がやっと通れるような脇道に入ると、高齢世代の6世帯が生活する水上町に到着します。住民の主要な移動手段は七尾駅(公立能登総合病院)間を1日2往復する路線バス「水上線」。しかし、水上線の利用者の減少に伴って、交通事業者から市に路線を廃止できないかと打診がありました。
バス路線が廃止となった場合、生活の足を失って、困る人が出てきます。この大きな課題を解決するため、代替となる交通手段として「住民主体による予約運行型送迎サービス」を取り入れようと、市と南大呑地域づくり協議会は協議を進めてきました。こうして始まった「南大呑さわやか送迎サービス」は住民有志が運転役を担い、花園口バス停から水上町バス停までの区間が運行休止になる10月から12月末までの3カ月間、試験運行を行っています。
週3日の運行のうち、水曜日の運転手は池岡徹さんです。午前7時30分に花園口バス停で降車した平田美智子さんを出迎え、水上町集会所前まで送ります。平田さんは現在家族が住む別の地域に暮らしていますが、週2回家の管理や畑仕事のために自宅を訪れています。「バスが運休すると聞いて困っとってんけど、こんなサービスができるって聞いて本当に嬉しかったわ」と笑顔で話す平田さん。午後1時過ぎに七尾駅に向かって発車するバスに合わせて迎えに来る池岡さんも「また昼にね」と温かく見送っていました。
その足で今度は小川内町へ。集会所前には病院へ向かう川上信子さんが待っていました。これまで家族の出勤に合わせてバス停まで送ってもらっていた川上さんは「冬はバス停の待合室も寒いし、便利でありがたいわ」と新たな交通手段に期待を寄せています。花園口のバス停で下車すると「ありがとね」と軽快な足取りでバスに乗車していきました。
「今はバスが廃止になった時の予行練習。地域の人が取り残されるのを黙って見過ごす訳にはいかんけど、本当にバスがなくなったら運行本数も増やさんなん。私らも歳取ってくし、若くて常駐できる運転手がどんだけ確保できるんか」と話す池岡さんと協議会の前田忠さん。運行の担い手が地域の実情を良く知っているからこそ見える課題があり、取り組める解決策があります。

路線バスの現状

水上線:水上町~JR七尾駅前もしくは能登総合病院(1日2往復)
脇線:氷見市脇町~JR七尾駅前(1日5往復)
水上町~花園口は10月~12月の間運休

(写真説明)
乗客に安全で安心なサービスが提供できるよう、運転者は国土交通大臣認定の市町村運営有償運送の運転者を対象とした講習を受講しています。
関係法令の基礎的な知識や利用者が乗車している時の運転の技術を習得します。

バスやタクシーなどの公共交通を利用しましょう

路線バスやコミュニティバス、タクシーなどの公共交通は、高齢者や子どもなど自動車を運転しない人にとって、なくてはならない交通手段です。これら生活の足である公共交通は、地域の皆さんの利用があって守られています。
大切な交通手段を将来にわたって守るために、市は路線バスの赤字補てんを行って維持に努めています。地域の皆さんも、共に公共交通を守るという意識を持って利用してください。

お問い合わせ

所属課室:企画振興部広報広聴課

〒926-8611石川県七尾市袖ケ江町イ部25番地

電話番号:0767-53-8423

ファクス番号:0767-52-0374

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